この記事のポイント

  • 梅花心易とは、筮竹やコインを使わず、時刻や身の回りの数字から六十四卦を立てる易占いの方法です。
  • 卦を立てる計算は「上卦=(年+月+日)÷8の余り」「下卦=(年+月+日+時)÷8の余り」「変爻=(年+月+日+時)÷6の余り」の3つだけです。
  • 出た卦は、本卦・互卦・変卦の3つと、体と用の五行の関係で読み進めます。
  • 本筮や略筮のように道具の作法を覚える必要はありませんが、計算のルールは流派で少しずつ違います。
  • 占いは答えを決めるものではなく、気持ちを整理する手がかりとして使うのがおすすめです。

「易を占ってみたいけれど、筮竹なんて持っていないし、コインを何度も投げるのも落ち着かない」。そう思って手が止まってしまったこと、ありませんか?

実は易には、道具をいっさい使わず、いま見ている時計の数字だけで卦を立てる方法があります。それが梅花心易です。

この記事では、梅花心易の計算手順を、実際の数字を入れた例といっしょにゆっくり追っていきます。本筮・略筮との違い、六十四卦の早見表、卦の読み方、やってみて迷いやすいところまで、カナエがまとめました。読み終わるころには、次に時計を見たとき「この時刻で占ってみようかな」と思えるはずです。

時計の数字から卦を立てる梅花心易

梅花心易とは?時刻や数字から卦を立てる易占い

梅花心易(ばいかしんえき)とは、占う瞬間の時刻や目に入った数字を計算して、八卦・六十四卦を導く易占いの方法です。梅花易数とも呼ばれます。

一般には、11世紀の中国・北宋の学者である邵康節(しょうこうせつ)が完成させたと言われています。名前の由来には梅の花にまつわる逸話が伝わっていますが、諸説あるので、ここでは「そういう話がある」程度にとどめておきますね。

最大の特徴は、筮竹などの道具を使わないことです。日本易経協会の講座案内でも、時計の時刻、車のナンバープレート、目に入った数字や方角など、身の回りのものを素材にできると紹介されています。

ただ、「数字さえあればいい」と聞くと、ちょっと不思議な感じがしますよね。ここは、私が占いを調べていて「なるほど」と思うところなのですが、梅花心易は「いま、この瞬間に浮かんだ問い」と「いまの時刻」を結びつける考え方をベースにしています。だから、あとで何度もやり直すのではなく、問いが浮かんだその場で一度だけ立てるのが基本です。

本筮・略筮・梅花心易の違いは?道具と手間で比べる

道具から数字へ、易の立て方 道具から数字へ、易の立て方

本筮(ほんぜい)は筮竹50本を使って卦を立てる最も正式な方法、略筮(りゃくぜい)はその手順を簡略化した方法、梅花心易は道具を使わず数字の計算だけで卦を立てる方法です。どれも六十四卦を使う点は同じです。

方法使うもの手間特徴
本筮筮竹50本大きい(十八変で六爻を出す)最も正式。時間と作法が必要
略筮筮竹を減らす、またはコインなど中くらい本筮を簡略にしたもの。道具は必要
梅花心易時刻や数字だけ(計算用の紙とペン)小さいいつでもどこでも立てられる

本筮では、筮竹を分けて数える操作を三回くり返して一つの爻(こう)を決め、それを六回くり返して六爻をそろえます。慣れないうちはこれだけで気持ちが疲れてしまいそうですよね。

梅花心易は、その部分を「足し算と割り算」に置き換えたようなものです。電車の中でも、カフェでも、メモ帳ひとつで卦が立ちます。

一方で、道具を使う儀式的な静けさがない分、「なんとなく軽い占いでは?」と感じる人もいるかもしれません。その感覚も自然だと思います。軽く始められるところが長所であって、読み方は本筮と同じ六十四卦の象を使います。

梅花心易のやり方:準備する数字の当てはめ表

梅花心易を始める前に必要なのは、十二支の数、時刻の数、八卦の数の3つの対応表だけです。まずここをそろえると、あとの計算が一気に楽になります。

十二支の数(年と時刻に使う)

年は生まれた年ではなく「占う年」の十二支、時刻は占うときの時刻の十二支に当てはめます。

十二支時刻の目安
123〜1時
21〜3時
33〜5時
45〜7時
57〜9時
69〜11時
711〜13時
813〜15時
915〜17時
1017〜19時
1119〜21時
1221〜23時

2026年は午年なので、年の数は7です。

八卦の数(余りを卦に変える)

12345678(余り0)
八卦乾(天)兌(沢)離(火)震(雷)巽(風)坎(水)艮(山)坤(地)
五行

ここは「1から順に、乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤」と読み上げて覚えるのがおすすめです。先天八卦の順番と呼ばれるものです。

月と日は、そのままの数字を使います。ただし、旧暦の月日を使う流派と、新暦の月日で簡便に済ませる流派があります。どちらか一方に決めて、いつも同じやり方を続けるのがコツです。

上卦・下卦・変爻の出し方:計算例で手順を追う

年月日時から卦を出す計算フロー 図1: 年月日時から卦を出す計算フロー

梅花心易の卦は、上卦を(年+月+日)÷8の余り、下卦を(年+月+日+時)÷8の余り、変爻を(年+月+日+時)÷6の余りで出します。余りが0のときは、8で割ったなら8(坤)、6で割ったなら6として扱います。

流派によって細部は異なりますが、ここでは最も広く紹介されている方法で進めますね。

たとえば、新暦の月日で簡便に計算する例です。2026年9月20日の15時に占うとします。

  1. 年の数は午=7、月は9、日は20。合計は7+9+20=36
  2. 36÷8の余りは4。上卦は4=震(雷)
  3. 時刻は15時なので申=9。36+9=45
  4. 45÷8の余りは5。下卦は5=巽(風)
  5. 45÷6の余りは3。変爻は下から3番目(三爻)

上卦が震、下卦が巽なので、本卦は「雷風恒(らいふうこう)」です。六十四卦の名前は、次の早見表で引けます。行が上卦、列が下卦です。

上卦\下卦
乾為天天沢履天火同人天雷无妄天風姤天水訟天山遯天地否
沢天夬兌為沢沢火革沢雷随沢風大過沢水困沢山咸沢地萃
火天大有火沢睽離為火火雷噬嗑火風鼎火水未済火山旅火地晋
雷天大壮雷沢帰妹雷火豊震為雷雷風恒雷水解雷山小過雷地予
風天小畜風沢中孚風火家人風雷益巽為風風水渙風山漸風地観
水天需水沢節水火既済水雷屯水風井坎為水水山蹇水地比
山天大畜山沢損山火賁山雷頤山風蠱山水蒙艮為山山地剥
地天泰地沢臨地火明夷地雷復地風升地水師地山謙坤為地

8×8で64通り。これが六十四卦の全体像です。表を見ると、意外と整った並びだと思いませんか?

本卦・互卦・変卦と「体」「用」の見方

本卦・互卦・変卦と体用の関係図 図2: 本卦・互卦・変卦と体用の関係図

梅花心易では、最初に出た本卦に加えて、互卦(ごか)と変卦(へんか)を出し、変爻のある側を「用」、ない側を「体」として五行の関係から読みます。

先ほどの例で続けてみます。変爻は三爻で、下卦(巽)の中にあります。だから用は巽(木)、体は震(木)です。

雷風恒の六爻を下から書くと、陰・陽・陽・陽・陰・陰。二〜四爻は陽・陽・陽で乾、三〜五爻は陽・陽・陰で兌になるので、**互卦は沢天夬(たくてんかい)**です。三爻の陽を陰に変えると下卦が離になり、**変卦は雷火豊(らいかほう)**になります。

体用の関係は、五行の相生・相剋で判断するのが、一般的な流派の解説です。

用と体の関係読み方の目安
用が体を生む助けがある。好ましい傾向
体と用が同じ五行(比和)穏やかで調和している
体が用を剋す自分が動けば進めやすい
体が用を生む力を出して消耗しやすい
用が体を剋す外からの圧力が強い

例では体も用も木なので比和です。本卦は「続ける」意味を持つ恒、変卦は「満ちて盛ん」な豊、互卦は「決する」意味の夬。並べると、「落ち着いた流れの中で、決断のタイミングが見えてくる」という読みも一例として成り立ちます。

とはいえ、これはあくまで読み方の一例です。卦の意味を一つに決めつけず、「自分の問いにどう響くか」を考える材料にしてくださいね。

梅花心易で占ってみるときの流れと質問の立て方

梅花心易は、質問を一つに絞り、その問いが浮かんだ時刻で立て、出た卦を問いに当てはめて読むのがコツです。数字の計算より、実はここのほうが結果に差が出ます。

【事例(フィクション)】

30代の A さんは、来週の面談で「異動したい」と言うかどうかを決められずにいました。夕方、ふと時計を見たタイミングで「面談で希望を伝えたほうがいいか」と一つの問いに絞り、梅花心易で卦を立てたといいます。出た卦を読み進めるうちに、「伝えるか黙るか」ではなく「どう伝えるか」に迷っていたのだと気づきました。A さんは結果を待つのをやめ、伝えたいことを箇条書きにして面談に備えることにしたそうです。

※この事例はフィクションであり、実在の人物や出来事とは関係ありません。

問いの立て方に迷うなら、結婚・パートナーの相談を例にした結婚を占いで相談する前に整理したいことも参考になります。占いの種類は違っても、「何を知りたいのか」を言葉にする準備は共通なんです。

質問づくりの3つのコツ

もし結果がしっくりこなくても、やり直して良い卦が出るまで探すのはおすすめしません。それは占いというより、「答えを選ぶ作業」になってしまいます。

梅花心易でつまずきやすいポイントと、うまくいかないときの考え方

迷ったときは一呼吸おいて 迷ったときは一呼吸おいて

梅花心易で迷いやすいのは、計算の細かいルールと、卦の解釈が広がりすぎることの2点です。どちらも、決まりごとを先に一つ決めておけば落ち着きます。

計算面では、次の3つで迷う人が多いようです。

解釈面では、卦辞や爻辞(えきの原文)を全部読もうとすると、言葉が難しくて疲れてしまいます。最初は卦の名前と、天・沢・火・雷・風・水・山・地というイメージだけで大丈夫です。たとえば「雷風恒」なら「雷と風が続く=一定のリズムで続ける」というふうに、絵を思い浮かべてみてください。

自分で占う方法としては、タロットのスプレッドで状況を整理するやり方もあります。カードのほうが視覚的に読みやすいという人は、タロットのケルト十字で自分で占う方法も比べてみてくださいね。易は言葉と象で読む占い、タロットは絵で読む占いと考えると、違いが見えやすいです。

よくある質問

Q:梅花心易は初心者でもできますか?

できます。必要なのは足し算と割り算だけで、筮竹やコインの作法を覚える必要はありません。最初は本記事の対応表と六十四卦の早見表を見ながら、卦の名前を引くところまでを目標にすると進めやすいです。

Q:梅花心易と略筮では、どちらが当たりますか?

どちらが当たるかを比べる根拠は、公開されている解説では見つかりません。どちらも同じ六十四卦を使う易占いで、違いは卦の立て方にあります。占いは未来を断定するものではなく気持ちの整理に使うものなので、続けやすい方を選ぶのが現実的です。

Q:数字は時刻以外でも使えますか?

使えます。日本易経協会の講座案内では、車のナンバープレートや目に入った数字なども素材として紹介されています。ただし、慣れないうちは時刻と年月日の方法で固定しておくと、計算のルールがぶれません。

Q:同じ質問を何度も占ってもいいですか?

おすすめしません。同じ問いを重ねると、望む答えが出るまで探してしまいがちです。気持ちが変わったり状況が動いたりしたときに、新しい問いとして立て直す方が自然だと思います。

Q:梅花心易の結果が悪い卦だったら、どうすればいいですか?

卦の名前だけで良し悪しを決めないでください。どんな卦にも、気をつけたい点と活かせる点があります。「何に注意しておくとよさそうか」を読み取るヒントとして受け取るのが、易との上手なつき合い方です。

まとめ

梅花心易は、筮竹もコインも使わず、時刻と数字の計算から六十四卦を立てる易占いです。手順をおさらいすると、こうなります。

  1. 年・月・日・時を数字にする
  2. 上卦・下卦・変爻を余りで出す
  3. 本卦・互卦・変卦を並べる
  4. 体と用の五行の関係を見る

はじめは計算の段取りだけで精一杯かもしれません。でも、二、三回やってみると、「あ、この流れなんだ」と体になじんできます。

出た卦は、答えを言い渡すものではなく、迷っている気持ちを言葉にしてくれる鏡のようなものです。今日、ふと時計を見たとき、気になっている問いをひとつだけ浮かべて、メモ帳に足し算をしてみてください。その小さな一歩が、自分の気持ちをそっと整理するきっかけになるかもしれません。

自分で立てた卦の読み方に迷ったときは、ココナラ電話占いのように、無料クーポンで実際に占ってもらえるサービスを試してみるのも一つの方法です。